みなさん、こんにちは。

お待ちかねの弊社新刊『身体は「わたし」を映す間鏡である』の発売日11月11日まであとわずか。
「待ちきれない!」という方の声もたくさんいただいております。本当にありがとうございます。
でもいちばんヤキモキしているのは著者の甲野陽紀さんかもしれませんね。

 

見本が届いた日に、発売直前の心境を甲野陽紀さんにうかがったところ、
「本づくりというのは、書籍という船をみんなで作り、海に浮かべようとしているようなもの
なんですね。そのことがよくわかりました」と、演劇の制作スタッフとして裏方の役割を十二分に
経験したこともある甲野陽紀さんらしい、印象的な表現で完成直後の感想を語ってくれました。

「これまで2冊、父と共著をつくった経験はあったのですが、実は〝本をつくる技術の奥深さや
おもしろさをまだ自分はぜんぜんわかってなかったんだなあ〟とも思ったんですよ」とちょっと
はにかみながら振り返る甲野陽紀さん、「文章の書き方からデザインを含めた見せ方まで、書籍として
長く残るものをつくるときの技術というものを肌で感じられた印象があります」と、次につながる
新鮮な手応えも感じられたようです。

「わたしは日々講座もしているので、講座と原稿、仕事とプライベートなど、メリハリを作ること
の大切さを今まで以上に実感しました。きちんと区切りをつけることで、1つ1つの物事への
集中力が変わってくるのです」

「時間が惜しくてついしてしまったことがあったのですが、〝食べながら校正しない〟というのは、
私自身の反省ですけどね」と苦笑いしながらですが、文章を書くということを、カラダが持っている
集中力という観点を通して捉え直している甲野陽紀さんのお話は、さすが身体技法研究家だと感心させられます。

「一つ一つ区切るのがいい、とはいっても、実際には複数のことを同時にしなくてはならないことも
ありますね。そんなときは、言葉の力を上手に利用するといいのです。たとえば、〝これをして、
これをする〟というような感じで、することをつなげていくと、何をするべきかが明快になって、
それだけで動きが軽快になってきます。言葉には実は動きを引き出す力があるのです」

なるほど!

「ところが、私たちがふだんよくやってしまいがちなのが、これとは逆の、〝ながら〟でやることを
つないでしまうことなのです。いま私がお話したように〝何かを食べながら、校正をする〟
というのもその一つですが、この〝ながら〟という言葉がクセモノで、〝ながら〟という
気持ちでやっていると、動きも考えもずるずると前のことを引きずってしまい、結果として
パフォーマンスが下がってしまうのです。

〝して〟も〝ながら〟もたった数文字の言葉です。声に出してもふだんは気にも留めないぐらいの
ささやかな違いしかない言葉ですが、こういう一つ一つの言葉が実は身体にはとても大きな影響を
与えているんですよ、ということも、今回の初の単著の中でぜひみなさんにお伝えしたいメッセージでもあるのですね」

 

甲野陽紀さんが〝発見〟した言葉と身体のナゾの関係については、新著の第四話で詳しく触れられています。話はまだまだ続きますが今日はこのへんで。続きは次の投稿をお待ちください。では!