「美しい」という感覚は自分の外にあるものではなく、自分の「内なる声」の響きなのかもしれません。それを美意識と呼ぶなら、美意識とはその人の中に固定化されているものではなく、ある時ある場面の何かに触発されて「湧き出ずるもの」ではないか、とも思います。「在る」と「現れる」のあわいにふだんは眠っている、貴方の中の真の美意識が“発見”された時、その感動が「美しい」という言葉になって現れるのではないでしょうか。(本文より)
目次情報など
電子書籍はこちらから
http://www.shinanobook.com/genre/book/5047
特別寄稿 「三人称の美のルネサンス」を迎える時代に 一般社団法人 白川学館 代表理事 七澤賢治
プロローグ 「美しい」は貴方の内なる声
Part 1◉虚実の間へ──美の現れを求めて
works of imagination 1 祝殿
works of imagination 2 ロゴストンセンター
public art ふとまにの里
works of imagination 3 various arts at the exhibition
ANOTHER FACE
ANOTHER WORLD
カタルシス│ 浄化
たまゆら
暗示
間│Awai
虚実幽顕
空 Koo
風がたずねてくる
凛
うたかた
Part 2◉「在る」と「現れる」の間へ
美意識の普遍と個性をめぐって
美意識の個性
自然と美意識
時代と美意識
美術の才能とは
作品のリアリティとは
美の術と「体験」
リアルとリアリティ
日常にある美の感覚・アートの表現
エピローグ
「新しい日常」を創造的に生きるために。
デジタルネットワークが可能にする、
その先の美術教育へ
謝辞
著者プロフィール
作品リスト
著者プロフィール
井坂健一郎 ISAKA Ken-ichiro
■1966 年、愛知県生まれ。美術家、美術教育研究者。「虚」
と「実」、「在る」と「現れる」の間(あわい)──10代の頃から
惹かれてきた「とどまらずうつろいゆく美の景色」を、絵画、イン
スタレーション、写真、建築、ランドアートなど、様々なアートの
表現手法を通して追求する。その独創性に溢れた作品は現代美
術の批評家から高く評価されている。一方、美術教育の専門家と
して、学校教育現場を中心に「美を感じ、美しいを形にする力」
の育成と活用に力を注ぐほか、公共の施設やビジネスシーンにお
けるアートの力の活用についても積極的な提言を行い、美術教育
界に新風を吹き込む一人として期待されている。
■東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻、筑波大学大学院修
士課程芸術研究科美術専攻、同大学大学院博士課程芸術学研
究科芸術学専攻を経て、現在、国立大学法人 山梨大学大学院
教授(専門分野:絵画)。2021年より国立大学法人 山梨大学
教育学部附属特別支援学校 校長を兼務。
シェア