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第六十三回神宮式年遷宮、奉賛の道理と課題

日本の伝統文化を代表するお祭り、神宮(伊勢神宮)の式年遷宮に未来はあるのか?

第六十三回神宮式年遷宮、奉賛の道理と課題

小堀邦夫

2024年4月26日発売 定価:1,500円+税 86ページ ISBN: 978-4-908830-24-2 A5判 並製

装丁:松沢浩治(ダグハウス)

印刷:藤原印刷株式会社

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第六十三回神宮式年遷宮、奉賛の道理と課題

小堀邦夫

日本の伝統文化を代表するお祭り、神宮(伊勢神宮)の式年遷宮に未来はあるのか?

二十年ごとに社殿や神宝のすべてを改める。その営為を繰り返して約千三百年。式年遷宮と呼ばれる神宮(伊勢神宮)最大のお祭りは古くから広く知られ、江戸期には人口の六分の一にあたる人々が参拝したといわれます。

元禄二(1689)年、数えて四十六回目にあたる式年遷宮の年、外宮に奉拝した俳人松尾芭蕉はそのときの感慨を「とふとさに みなおしあひぬ 御遷宮」(尊さに皆押し合いぬ)と詠んだと伝えられます。

神宮の国民的人気は現代でも変わらず、「お伊勢さん」という憧れと親しみのこもった温かな呼び声は、日本全国津々浦々から聞こえるほどですが、一方で、式年遷宮のお祭りが、その伝統にふさわしい雅やかな舞台を設えるためには、国民の賛同のもと巨額の費用も要することから「どのようにして継承し、未来に待つ人々へとつなげていくか」という課題にも直面しています。

本書は、神宮に長く奉職し、式年遷宮の歴史と実際に通暁した著者が、十年後に迎える六十三回目の式年遷宮を前に、戦後「宗教法人」の枠組みの中で行なった過去二回の式年遷宮の経緯を振り返りながら、「千三百年の伝統」を「現代の日本において継承していくことの難しさ」をあえて率直に指摘したうえで、

伝統の継承という希望につながる道筋が拓かれることを願い、〝現実の壁〞とそれを「乗り越えていくための道理」を綴ったもので、式年遷宮を題材にとった類書では語られることのない内容を含んだ異色の〝式年遷宮本〞といえます。

神宮の式年遷宮のみならず、「現代における伝統文化の継承」というテーマに関心をお持ちの方には是非お読みいただきたい一冊です。

目次情報など

はじめに
一、神州不滅の根基
二、第五十九回神宮式年遷宮の重要点
三、宗教法人としての第六十回神宮式年遷宮
四、式年遷宮奉賛の過去と展望
(イ)、 お言葉と御献
(ロ)、 古義と展望
あとがきに代えて「遷宮お木曳き」(保田與重郎)
遷宮年表

著者プロフィール

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小堀邦夫(こほり くにお)

昭和25年、和歌山市生まれ。京都府立大学文学部卒、皇學館大学大学院国史学専攻課程、國學院大學神道学専攻科修了。文学修士。伊勢神宮に奉職、神宮禰宜として綜合企画室長、祭儀部長、せんぐう館初代館長などを歴任。平成八年三月、米ハーバード 大学に招かれ「神道とエコロジー」のシンポジウムにて講演。神職身分、特級・浄階。神宮評議員。靖國神社第十二代宮司。著書に詩集『魂の原郷』( PHP研究所)、『伊勢神宮』(保育社カラー ブックス)、『天へのかけはし』( JDC)、『伊勢神宮のこころ、式 年遷宮の意味』(淡交社)、『歌集 走錨の令和』など。

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