
いまなぜ「鎮魂」を語るのか?
装丁:松沢浩治(ダグハウス)
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いまなぜ「鎮魂」を語るのか?
「そういうものだ」とずっと思ってきたことが、実はそれだけの意味ではなかったことに、ある日気づかされる——こうした「自分の中の常識が覆される」という驚きも、新しい本と出会う楽しみの一つではないでしょうか。
前作(七澤賢治講話選集一「祓い」)において、古来、主に宗教的文脈でとらえられてきた「祓い」の概念に現代の最先端科学を接続させ、現代に生きる私たちにこそ活かされるべき実践の知として蘇らせた著者、七澤賢治氏が、本作では「鎮魂」の現代的意義を求めて、新たな探求の旅をめぐります。
「亡くなった人の魂を鎮める——鎮魂と聞くと多くの人はこう思います。西欧でいうレクイエムも同じです。ところが、古代の日本で生まれ、継承されてきたこの鎮魂という実践の知には、そのことと、世界中の瞑想法の源流であるということの他に、実はもう一つの意味がありました。それは、生きている人の魂を一つにし、エネルギーを高めるというものです。
生きている人の魂にエネルギーが満ちてこそ、初めて先祖のために、世の中のために、つまり〈公〉のために力をつくすことができる——そのことを実践の知として世の中に示してきたのが鎮魂です。天皇が宮中祭祀である新嘗祭の前日に〈鎮魂祭〉という祭祀を行ってきたこと、その理由がまさにここにありました。
「鎮魂の誕生から数千年の時を経た現代は、〈私〉の欲望が肥大化し、〈公〉の力にかげりがさしている時代ともいえます。しかし、そのような時代だからこそ、〈公〉の復権を世界中が求めているともいえます。〈鎮魂〉を語るべき時、知るべき時を今こそ私たちは迎えているのではないか。そのように思います」(著者談)
目次情報など
目次
編纂者まえがき
1 白川における鎮魂
2 鎮魂と白川のご修行
3 鎮魂と天皇の役割
4 鎮魂の極意
5 鎮魂は「時」を超え「宇宙」をめぐる
6 鎮魂の意識進化へ
巻末資料
Ⅰ 中今
Ⅱ 十種神寶目録
Ⅲ 修理固成
著者プロフィール
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