わき道(講座・講演)

ペンで文字を書くとき、どこに注意を向けていますか?

わき道

| レポート

ペンで文字を書くとき、どこに注意を向けていますか?

自転車に乗るための練習をしていたとき、「どうやったら乗れるのか?」その方法がわからなくて、足を地面に何度もつけながら必死に練習した記憶があります。

しかしいまとなっては、
「どうやって自転車に乗っていますか?」
といわれると、「いや、どうやってって言われても、サドルまたいでペダル押して……」となんとも雑な返答を返したくなってしまうのは私だけでしょうか。

その他にもたとえば。

「文字を書くとき、どこに注意を向けているでしょう?」
「だれかをくすぐるとき、どこを気にしていると思いますか?」
「歩くとき、正座をするときはどうでしょう?」

日常の中にあるあたり前の動作をするときに、どこがどうなっていて、どこを気にしているかなんて、考えたことはないですよ。という私の意見に賛同してくださる方も、きっと少なくないのではないでしょうか。

「いやいや、そこがおもしろいんじゃないですか」

と目を輝かせていう人はこの方ぐらい、かもしれません。
身体技法研究家の甲野陽紀先生。


甲野陽紀先生。正座の仕方のお手本の最中。

昨年11月の『身体は「わたし」を映す間鏡である』の書籍発刊イベント以来、定期的に講座開催をしています。題して、

わき道「はるのり先生と身体を通して考えてみよう、人生の大疑問小疑問!」

身体技法という、陽紀先生独自の身体の使い方をワーク(実践)を中心に教えてもらう講座ですが、身体を通して“人生の大疑問小疑問”まで一緒に考えていくこの会は、約3時間の会。陽紀先生のお話に始まりワークが進んでいくと、いつの間にか質問タイムに。その往来がどんどんと熱を帯びては続いていき、そうこうしているとあっという間に終わりの時間を迎えてしまっているという、「身体を通して参加者みんなで考えていってみよう」の会なのです。

2019年最初の開催となった、1月22日。
この日は、陽紀先生がみなさんのとった行動を見て、こんな問いかけから始まりました。

「いま、みなさんがメモを取られているその時に、注意はどこに向いていますか?」

その質問に、ん?どこだ?とかすかに焦ってしまった私。

「ふだん何気なく書いているので、あえて気をつけている人もいないと思いますが、注意はペン先に向いているはずです。ペンのおしりの方に注意を向けて書くとなると、なかなか字は書きにくいものです」

この日は、「末端から動く、なぜなら末端の動きは全身に波及するから」、ということを教えてもらったのですが、日常的にすんなりできていることは、無意識にやっているので気づいていないけれども、実はちゃんと末端から動かしているんですよ、ということを冒頭から見せてもらいました。


身体がどう反応するのか、体験ワークがたくさん体験できるのが本講座の魅力です。

今回例にとって陽紀先生がお話くださったのは、

-くすぐるということ
 ・くすぐるのがうまい人はどこに注意を向けている?

-正座のこと
 ・正座をしやすくするには?
 ・ひざ、股関節をやわらかくするには?

-おじぎのこと(正座バージョン、立ちバージョン)
 ・キレイにおじぎをするのに注意を向けるのは……?
 ・立った場合には?

-歩き方
 ・腰に負担のかからない歩き方をするには?

-雪駄の効果

-満員電車の中で
 ・倒れずに立つには?
 ・カバンの持ち方で倒れ方が変わる?
 ・実はちゃんとみんなやってる持ち方でOK

などなどほんの一部ですべては書ききれませんが、後半の部スタートの直前の休憩時間から始まった質問タイムが、終わりの時間まで途切れることなく続いていき、みなさんがふだん気になっているさまざまなことを題材にワークで実践をし、注意の向け方による身体の変化をじっくり、しっかり体感していきました。


膝や股関節のことや、     歩き方や、


満員電車での立ち方についてのポイントもお答えいただきました。

「身体で一度体験したことは、身体が覚えていますので、その感度を上げていくといろいろなことがどんどんと自分でわかってきます」(陽紀先生)

その証拠に、という表現は適切ではないかもしれませんが、毎回ご参加の方の感じ方の反応が回を追うごとに鋭くなっているのは、素人の私から見ても一目瞭然です。

ご参加の方からいただきましたお声を、いくつかご紹介いたします。

「スゴく面白かったです。立ち方、座り方、歩き方、カバンの持ち方、すべて毎日していることですのですぐに役立つのが嬉しいです♡ありがとうございました」(H.Sさん)

「初めて参加しました。驚きに満ちた楽しい時間でした。ぜひ日常生活で活かしたいと思います。次回も参加したいと思います」(Y.Yさん)

「日頃疑問にとらえていた正座の安定について、丁寧にご説明いただき、たいへんためになりました」(N.Kさん)

「広がりと深さが増した感じがします」(H.Kさん)

「とてもおもしろかったです。毎回実践しながら、体を動かしながら伺うので、とても楽しく覚えやすいです。日常生活に応用できるお話をたくさん教えていただけるので、次回も楽しみにしています」(K.Iさん)

次回はどんな会になるのか!
陽紀先生とその日のその時間に参加した方でつくりあげていく、わき道定期講座、
「はるのり先生と身体を通して考えてみよう、人生の大疑問小疑問!」
ぜひあなたも参加してみませんか?

次回は2月は25日(月)15時より開催の予定です。
        
※お申込みは、後日改めて申込フォームを公開いたします。

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