子育ち<後編>
2017-07-14
みなさま、こんにちは。
本日もありがとうございます、ワキノコビトでございます。
今年の夏、イワシがちょくちょく我が家の食卓に上がりました。
大量消費する我が家では、価格とのご相談、ということも(が?)
多いのですが、案外調理が手間ではないことも大きな発見でした。
みなさんは、どのお魚を最近召しあがりましたか?
ちなみに今晩はイカでした。
さて昨日の続きです。少し長くなりますが、『甲斐犬の神髄、ここにあり。』
の引用の部分からご覧くださいませ。
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「甲斐犬らしく育ててやってください」(中略)
人間ですから情の入った物事は大事にしたくなるものです。甲斐犬の仔犬の
可愛いらしさはまた格別ですから、可愛い可愛いと大事にする。愛情深く接する
ということになりがちですが、しかし、それでは「甲斐犬らしさ」はうまく育って
くれない。愛情をかけることと、甲斐犬独特の気質を育てることとを取り違え
ないことも大事なことだと思います。
(中略)
どの動物も同じような育て方をしてしまう、ということです。象も馬も犬も同じ
ように自分の言うことを聞くようにしたいと、同じような可愛がり方、育て方を
してしまう。
他の動物のことはさておきますが、こういう育て方は甲斐犬には絶対に
やらないでいただきたい。このことははっきりと申し上げたい。動物には
それぞれ持ち味というものがあるのです。同じ犬でも犬種が違えば気質も
違い、何を行動の欲とするかも違います。この違いを上手に引き出し育てる
には、その犬種に合った育て方というものがあるのです。
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私は犬は飼っておりませんが、この箇所を読んだ時、まるで子育て
のことについて語られているようで、少し胸がドキッとしました。
それとともに、雨宮さんの深い深い甲斐犬への想い―畏敬の念とも
とれるかもしれません―を感じました。
それは雨宮さんが甲斐犬との生き様を通して体現なさった、
命あるのもの同志の、あるべき姿なのかもしれません。
我が子のためによかれと思って…
あなたのためを思って…
君が傷ついたり苦しまないようにと思って…
そういった思いから、ついつい口や手を出してしまうことがあります。
それらの思いは果たしてどれ程が、真に「相手のため」になっている
ことなのでしょう。
あなたのためにした。それが、「うるせーなー」
という反抗的な言葉が返ってくることもあります。
その言葉が出てきた所の真意は、本当はどこにあるのでしょう。
「例えお産の時でも、母犬に任す」
と雨宮さんは言われます。
再び引用いたします。
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「「ブチ毛」は元は山犬です。厳しい自然の野山で、負けずに生き残って
きた強い仔犬たちが、その血筋を甲斐犬へと引き継ぎ、いまがあると考えれば、
お産も、甲斐犬の仔犬にとっては最初の試練。
その試練を自力で乗り越えてほしい、そう願ってのことです。」
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そう言い切る雨宮さんのその、何もしないで見守り切る姿には、
「あなたのために…」と、口や手を出してしまう私の言動の、何倍、何十倍もの
秘められた強い強い想い、が詰まっているように思えてなりません。
私の子育ては、子育ちを邪魔しない子育て、というには課題尽くしですが、
「愛情をかけることと、甲斐犬独特の気質を育てることとを取り違えない」
という雨宮さんの言葉を思い出し、その子らしく育ちゆく姿を見守って
いきたいと、改めて思いました。
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