「美」はただ在るのか、現れるのか?
12月の新刊『新版 真美識の発見~虚実の間へ』の著者は、現代美術のアーティストとしても、美術教育の専門家としても第一線で活躍されている井坂健一郎氏(ふだんは井坂先生と呼ばせていただ...
“お伊勢さん”の愛称でも親しまれてきた伊勢神宮(正式名称は神宮)の最大のお祭り「式年遷宮」。このお祭りは、二十年ごとにお宮と神宝のすべて一新するという世界でも類をみない発想をもとに、およそ千三百年の間受け継がれてきました。いわば日本を代表する文化遺産と呼ぶべきお祭りです。
本書は、神宮に長く奉職し、式年遷宮の歴史と実際に通暁した著者が、十年後に迎える六十三回目の式年遷宮を前に、「千三百年続く日本最大のお祭り」を「現代の日本において受け継ぐことの難しさ」と「あるうべき道筋」について綴ったものです。
「戦後の日本」という国のあり方の中で、式年遷宮がどのような道筋をたどって行われてきたのか、これからの未来を拓く道理とはどのようなものか‥‥‥著者の穏やかな筆致が丁寧に紐解いていくその経緯は、私たちに、「神宮の式年遷宮」という華やかなお祭りの裏舞台を通して、現代史の一側面を伝えてくれます。
ぜひ多くの方に手にとっていただきたい一冊です。
アナロジーという神話的思考で〝宇宙〟を旅した探求者、七沢賢治氏の思索と実践の記録を講話でたどる七澤賢治講話選集。三部作の掉尾を飾る本作は〝言霊講話〟がテーマ。万葉集にも謳われた日本語に宿るコトタマの力。その力を現代科学の視点から捉え直した七澤賢治言霊(ゲンレイ)論が、私たち現代人が忘れかけている「言葉(コトノハ)の源に潜む力」に迫ります。「言霊」にはなぜ「創造の力」が宿るのか?——その秘密がここに。
「七澤賢治とは何者か?」という問いこそ、〝多才〟を極めた氏にとって最高の勲章だったのかもしれません。その〝多才〟が「白川神道の継承者」として、最後まで手綱を緩めずその深みを探求し続けたテーマが「祓い」の実践的研究でした。本作では、平安の古より神祇伯を任じてきた白川神道の精髄を入り口としながら、「祓い」という日本古来の精神的作法を縦横無尽に語ります。七澤賢治講話選集(全三巻)の記念すべき第一作!